漢方歴30年の薬剤師 久保田佳代が思うこと。
前回は「コロナと漢方」について、漢方歴30年の薬剤師 久保田佳代先生にお伺いしました。
人類史上何度も繰り返されてきている疫病に対して、抗ウイルスとして功を奏してきている漢方薬。
今回は「漢方と副作用」・「副作用の正しい知識」について教えていただきます。
「新型コロナ感染症対策で使われそうな漢方薬に副作用はあるのか・・・?」
「漢方薬に副作用はありますか?」
これは良く聞かれる質問のトップ5に入ります。
何事も主作用があれば相対的に副作用があるのではないか?と考えますね。
西洋のお薬つまり病院で処方される処方には、添付文書等に副作用の記載がモリモリ書かれている。
処方箋を持って調剤薬局に出向けば服薬指導に副作用に関しての情報が耳を通るから、副作用の多さを実感する。
ところが漢方薬に関しては、例えば甘草という生薬を多量に服用すると、
だるさや浮腫みなどが出ます程度の“なんとなく”の症状に置き換えられるものが多いことが、
「漢方薬に副作用はありますか?」という質問が多い理由のひとつになるのではないかと思います。
しかし・・・ 漢方薬の副作用で死をまねくことがあるという事実は、避けては通れません。
この度の新型コロナウイルスに対して有効であると言われる漢方薬の副作用については、
まず処方自体が日本人の身体にマッチングするかどうか?
その人それぞれの発症度合いに対して、的確な処方を投薬できるかどうか?
もともとの身体の状態がどのような証であったか? など、
様々な要因にて副作用の発現も異なるのではないかと予想出来ます。
例として、前回もご紹介した新型コロナウイルスに対する処方として
よく耳にする 「清肺排毒湯」の処方内容について考えてみたいと思います。
「清肺排毒湯」について、よくよく内容量を見てみると・・・
実に構成生薬が21種類、全量が約200gにもなります。 この量が多いのか、少ないのか??
皆さんがご存じ、風邪の引き始めの「葛根湯」は、6種類の構成生薬で全量25gです。
中でも「甘草」という生薬で比較すると、その量は6倍にもなります。
ちなみに甘草は副作用が記載されている生薬の代表的なものではありますが、
実は、医療用漢方製剤148品目中109品目と、多くの処方に含有されています。
つまり何が言いたいのかというと、 中国での処方と日本での処方は、
『同量では問題がある』と考えられるということです。
分量を加減するなど日本人に合う処方を見出すことが先決ということです。
東洋医学・漢方とは言えども、中国の中薬・韓国の韓方・台湾の漢方など、さまざまです。
各々学びは多くとも、日本の漢方は日本人に合う処方をもってして
ウイルス=“邪”に奏功することを忘れてはならないと思います。
氣生薬局では、患者様の症状・お困りごとに合わせて 久保田佳代がカウンセリングを実施しています。
具体的な症状や処方について、お電話でのお問い合わせも受け付けていますのでご相談ください。
自費診療での漢方処方をご提案させていただくこともできます。
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