漢方歴30年の薬剤師 久保田佳代が思うこと。
新型コロナウイルス感染症が第2類から第5類に移行して約2か月が経ちました。
マスクをせずに過ごす方も多くなり、そもそもマスクをしていられないような危険な暑さに驚きますね。
また災害など、異常気象を認めざるを得ない不安な毎日ですね。
今回は「コロナと漢方」について、漢方歴30年の薬剤師 久保田佳代先生にお伺いしました。
東洋医学の考え方・感染症と漢方の歴史について紐解いていきます。
「ズバリ、新型コロナウイルス感染症対策に漢方薬は効くのでしょうか・・・?」
新型コロナウイルス感染症対策に漢方が効くのか・・・
そもそも「漢方薬が効く」という表現は、実はあまり好きではありません。
なぜならば「漢方薬が効く」というより、今この現状に合った身体と心と病勢と病因など
様々な角度からの「中庸を保つ」ために、自然の力を借りることに他ならないと考えるからです。
もともとの対症療法の西洋医学と、根治療法の東洋医学には、大変多くの違いがあります。
東洋医学で私たちが出来る事は、 【ウイルス=“邪”を身体に入れない免疫機構を活性化させること】に尽きます。
例えウイルス=“邪”に罹患したとしても、免疫を上げて自然の力つまり生薬の力を借りて養生し、
中庸を保てる状況を作ることがなによりだと感じています。
では、中庸を保つためにどうすれば良いのか?
先ずは生活習慣・食生活を整える事です。
そのうえで「漢方薬」をポンプ役にしてコントロールしていくのです。
ただし漢方薬と一言で言っても、 新型コロナウイルスに“この漢方薬を”と言えるものではありません。
症状の重さや組み合わせによって、処方する漢方薬は全く異なります。
つまり漢方薬を効かせ中庸を保つことで漢方薬が効くと言わざるを得ないと思うのです。
しかし漢方薬は、医師や薬剤師に処方されて飲むものですし、
薬となるととハードルが高いと思う方もいるかと思います。
そんなときには是非! 氣生薬局オリジナルの漢方茶「ヴィー留守茶(ヴィールスちゃ)を飲んでいただきたい!
日々のセルフケア、免疫力アップのために、自然の生薬でブレンドされています。
必要以上に不安になるよりは、できる対策を行っていくことが何より大事であると思います。
「体質改善の漢方薬は、感染症には効かないのでは・・・?」
新型コロナウイルスの治療薬・ワクチン開発に尽力してくださった結果、
令和5年4月時点で、コロナウイルス治療薬として
10種類ほどの抗炎症薬・抗ウイルス薬・中和抗体薬が承認されています。
では、感染症に漢方薬ではどうでしょうか。
「漢方なんて、体質改善のものだから、感染症には効かないんでしょ。」
そう思われている方もいるかもしれませんが、実際は違います。
疫病は人類史上何度も繰り返されており、
後漢の時代に張仲景が編纂した伝統中国医学の古典である【傷寒論】は、
伝染性の病気に対する治療法処方が書かれています。
西洋医学が伝えられてから未だ150年ほどの日本では、
それまで東洋医学しかありませんでしたから、病の治療薬は「漢方薬」が主だったわけです。
現にSARSの時にも多くの漢方薬が使われ、結果を出しました。
このように漢方の処方が抗ウイルスに功を奏したのは間違いないと思います。
実際に使われた漢方処方の生薬である【金銀花(きんぎんか)】は、
当時の生薬相場から考えると3~5倍に跳ね上がり、買い占めなども囁かれていました。
今回の新型コロナウイルスに対しても中国では、
「約7万人の患者(全体の約90%)に漢方を処方したところ、有効率は90%以上に達した。」
「漢方薬は、早期と回復期にかなり効果がある」
「漢方薬により、症状が効果的に緩和することが示された。」
「漢方薬が重症化を減らし、治癒率を高め死亡率を下げることが分かった。」 など、様々な見解がいくつも報告されています。
特に西洋医学で求められるエビデンスとまではいかないにしても、奏功例が後を絶たないのです。
感染症への漢方処方の生薬である「金銀花」の値段が跳ね上がったと取り上げましたが、
新型コロナウイルスの流行が第9波と言われる昨今では、
同じく抗炎症・免疫向上のある「板藍根」もおすすめの生薬となります。
漢方薬の処方は、コロナ後遺症にも大変功を奏しており、ブレインフォグや味覚嗅覚障害にも
良い結果を生んでいます。
漢方の可能性はまだまだ未知なところはありますが、西洋医学よりもずっと歴史の長い東洋医学の中に、
感染予防・治療のヒントは必ずあるとうかがえます。
また話題として、2020年4月17日のFRYD〇Yに、
“6万人もの感染者を救った!新型コロナに効く1800年前から伝わる漢方薬” このようにデカデカと見出しを付けた記事がありました。
記載されていた漢方薬の処方は、 日本の厚生労働省と国立感染症研究所に報告された「清肺排毒湯(セイハイハイドクトウ)」です。
この処方は漢の時代に書かれた医学古典「傷寒雑病論」にも記載されています。
現在日本で買える漢方薬だと
「胃苓湯(イレイトウ)」
「麻杏甘石湯(マキョウカンセキトウ)」
「小柴胡湯加桔梗石膏(ショウサイコトウカキキョウセッコウ)」 を併用したもと近い効果が得られるとされるという記述がされていました。
2023年に入り漢方薬が市場品薄で全く手に入らなくなりました。
特に、葛根湯・桔梗湯・小柴胡湯加桔梗石膏などがあげられます。
2023年7月には漢方薬の市場も8割程度まで回復してきました。
現に氣生薬局には、多くの処方についての問い合わせが多く入っています。
どうしても常備しておきたいと言われ購入される方もいます。
そもそも日本でセイハイハイドクトウはエビデンスがあるわけでなく、
素人判断で服薬することは医薬品である以上リスクが伴うので是非ともご相談願いたいと思います。
日本人とは同じ東洋人であっても、食生活や環境、
たとえば水ひとつとっても軟水と硬水ではミネラルも変わってくるので内臓の機能も何かしら違いがあります。
つまり日本人には日本人に合う処方が存在するのだと思います。
また症状が軽症と重症では処方する漢方薬も変わります。
罹患した際または抗原抗体検査の有無に関わらず、 その時の症状にあった日本漢方の投薬が理想であるというわけです。
具体的な症状や処方について、お電話でのお問い合わせも受け付けていますのでご相談ください。
自費診療での漢方処方をご提案させていただくこともできます。
お困りの方はお問い合わせください。
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