
お盆や夏休みは、旅行や人との集まりが増える季節。
楽しい時間の中で、つい夜更かししたり、食事のタイミングがずれたり——そんな“非日常”が続くと、心も体も少し揺らぎやすくなります。
これって“夏バテ”かな?
休み明け、なんとなく疲れが抜けない。
食欲が落ちていたり、冷たいものばかり口にして、体がだるくて重い。
眠りが浅かったり、イライラや顔のほてりを感じる——そんな小さな違和感、ありませんか?
こうした揺らぎに気づくことは、自分を整える第一歩。
「なんとなく不調」を見逃さず、やさしく受け止めることで、心と体のバランスを取り戻すヒントが見えてきます。
漢方で読み解く!原因とは?
夏の疲れは、ただの暑さだけじゃありません。
漢方では、こうした不調は「脾(ひ)」の弱り=“脾虚”が関係していると考えられています。
「脾」は、食べ物を消化・吸収し、気(エネルギーである元気のもと)を生み出す臓腑。冷たい飲食や不規則な生活、湿気の多い気候は脾の働きを弱め、気を生み出す力が低下します。その結果、食欲不振・だるさ・疲れやすさなどの“脾虚”症状が現れるのです。
そこに、外からの「暑邪(じりじりの熱)」や「湿邪(じめじめの湿気)」が入りこむと、さらにからだは重く、だるくなってしまいます。
そして、汗をかきすぎたり、夜も休めない日や眠りの浅い日が続くと、からだの潤いが足りなくなる「陰虚」にもつながります。
つまり、夏バテは
「食べられない・巡らない・冷ませない」
そんなからだのバランスの崩れから生まれるのです。
夏バテタイプ別!養生の方法は?
まずは、自分の体の声に耳を澄ませてみましょう。以下のチェックリストで、今の状態を見つめてみてください。
✅ 夏バテタイプ別セルフチェックリスト
🍚脾虚タイプ(消化力低下型)
□ 食欲がない
□ 冷たいものをよく摂る
□ お腹が張る・軟便
□ むくみやすい
□ 舌に歯型がある
→ 脾の力が弱まり、気を生み出す力が落ちているかもしれません。
やさしく温め、消化を助けるケアが大切です
脾を元気にして、食べたものを力に変えるサポートするおすすめ食材
- かぼちゃ:甘みがあり、脾を補う代表食材
- さつまいも:やさしい甘さで胃腸をいたわる
- もち米:脾を補い、エネルギーをチャージ
- なつめ(棗):気を補い、疲れを癒す
- はちみつ:脾を潤し、やさしく甘い
💧湿邪タイプ(重だるさ・停滞感)
□ 雨の日や湿気が多い日に、体が重く感じる
□ 手足がむくみやすい/靴下の跡が残る
□ 頭がぼんやりして、集中しづらい
□ 舌がぽってりして、白っぽい苔が多い
→ 湿邪が巡りを滞らせているかもしれません。
体の中の“水の流れ”を整えるケアが必要です。
余分な水分を追い出し、からだを軽くするおすすめ食材
- はとむぎ:利水・美肌にも◎
- とうもろこし:むくみ対策にぴったり
- しょうが:巡りをよくして湿を散らす(皮も使うと良い)
- 陳皮(ちんぴ):香りで脾を助け、湿を動かす
- 黒豆:利水と補気の両方に働く
🔥 暑邪タイプ(熱感・ほてり)
□ 暑さに弱く、すぐにバテてしまう
□ 顔がほてる/汗をかきやすい
□ イライラしやすい/眠りが浅い
□ 舌が赤く、苔が少ない
→ 暑邪が体の熱バランスを崩しているかもしれません。
体を冷やしすぎず、熱を逃がす工夫が必要です。
体の熱を冷まし、ほてりやのぼせを和らげるおすすめ食材
- すいか:熱を冷まし、潤いを与える
- きゅうり:清熱・利水作用でクールダウン
- 緑豆(りょくとう):熱を冷まし、解毒も◎
- ミント:清涼感で気分もすっきり
- レモン:酸味で体を引き締め、熱を散らす
🌙 陰虚タイプ(体液不足・ほてり)
□ 口や喉が乾きやすい/夜になるとほてる
□ 眠りが浅く、夢をよく見る
□ 肌が乾燥しやすい/目が疲れやすい
□ 舌が細く、赤みが強い
→ 体の“潤い”が不足しているかもしれません。
やさしく潤す食材や、休息の質を高めるケアが大切です。
体のうるおいを補い、ほてりや乾きを癒すおすすめ食材
- 黒ごま:潤いを補い、髪や肌にも◎
- ゆり根:肺や心を潤す、やさしい甘み
- 白きくらげ:うるおい補給の薬膳スイーツ素材
- 梨:肺を潤し、喉の乾きにも
- 桑の実(マルベリー):血と陰を補う、甘酸っぱい味
🍲 第8回 薬膳料理教室のご案内
テーマ:夏の胃腸をリセットする養生のしかた
— 陽の季節から陰の季節へ、デトックスしながら補う —
夏の疲れが残るこの時期、
秋冬に向けて「巡り」と「補い」のバランスを整える薬膳を、
五感で味わってみませんか?
今回の薬膳料理教室では、
季節の変わり目に寄り添う養生法と、
氣をめぐらせ、からだをいたわる献立をご紹介します。
🧂 こんだて
- 秋冬に向けた養生鍋
- 氣香粉の冷たい混ぜ米麺
- 季節の薬膳デザート
📅 開催概要
- 日時:2025年9月13日(土)19:00〜21:00
- 場所:としま区民センター 5階 キッチンルーム ⇒地図
- 参加費:5,000円(税込)
- 定員:15名(先着順)
- 申込締切:9月12日(金)12:00まで
📩 お申し込みは店頭またはご予約フォームにて受付中です。 ⇒ご予約フォーム
🌿 初めての薬膳、大歓迎です。
「薬膳って難しそう…」という方も、どうぞご安心ください。
毎回、おひとりでのご参加も多く、和やかであたたかな雰囲気の中で、
ゆっくりと味わい、学べる時間をご用意しています。
季節の巡りに、からだとこころをそっと合わせる。
食べることは、整えること。
そんな薬膳の時間を、ご一緒できたら嬉しいです。







