梅雨が明け、いよいよ夏本番がやってきます。海に囲まれた日本の夏は高温多湿で、体にまとわりつくような蒸し暑さが続きます。気温と湿度の両方が高くなることで、知らず知らずのうちに体力が奪われ、疲れやすさやだるさを感じやすい季節です。
夏は、東洋医学では「火」に属し、対応する臓は「心(しん)」です。
この記事では、心のはたらきと五行とのつながり、夏に起こりやすい不調、そして日々できる養生をやさしく解説します。
目次
心(しん)の働きと五行のつながり
- 心は血液を循環させる作用があります
- 思考や意識など、精神をコントロールしています。
五行論では心は「火」に属し、以下のような対応関係があります。
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項目
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心との対応
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| 五行 | 火 | |
| 五臓 | 心 | |
| 五腑 | 小腸(心と表裏の関係にある腑) | |
| 五官 | 舌(心とつながる感覚器) | |
| 五主 | 血脈(心が司る器官) | |
| 五季 | 夏(心が属する季節) | |
| 五味 | 苦味(心が弱ると欲しやすい味) | |
| 五志 | 喜(喜び過ぎて心神が失調する) | |
夏は万物がすくすくと盛んに成長する季節で、「心」がもっともはたらく時期です。暑さで負担がかかり、心が疲れやすくなります。
焦りや不安、怒りなどで余裕をなくすのは禁物です。ゆったりとした気持ちで、過ごしましょう。
【薬膳×東洋医学】五行論とは?心と体のバランスを整える食材と体質ケアをやさしく解説
心と他の臓腑との関係:五行の母・子・制御
■ 相生の関係(母が子を養う)
- 【母】肝(木)→【子】心(火) → 肝が血をしっかり蓄えられていると、心の血脈が安定し、精神が落ち着く。
- 【母】心(火)→【子】脾(土) → 心が整っていると脾の働きが支えられ、消化吸収がスムーズになる。
■ 相克の関係(抑えて調和を保つ)
- 心(火)→肺(金) → 火が強すぎると金を溶かすように、心の過熱は肺の気を弱らせ、息苦しさや疲労感につながる。
→ 夏に心が疲れると、脾(消化)、肺(呼吸)、肝(自律神経)にも影響が広がりやすい。
夏に起こりやすい不調
日本の夏は暑いうえ、ジメジメとした湿気があります。そのため、暑邪、湿邪による不調があらわれます。
暑邪による症状
- 多汗
- 熱中症
- のどの渇き
- のぼせ、ほてり、顔が赤くなる
- イライラ、落ち着かない
- 夏バテ など
湿邪による症状
- むくみ
- 倦怠感
- 頭重感
- 食欲不振
- 下痢 など
夏の養生:心を整える暮らし方
漢方の古典『黄帝内経』には、「夏は遅く寝てもいいが、早く起きること。太陽の日差しを厭うことなく、ものごとに怒らずに気持ちよく過ごすとよい」と書かれています。これに背くと、心気が傷む、といわれています。
生活のポイント
- 強い日差しを避ける。(紫外線による活性酸素からのダメージを抑える)
- 水分はのどが渇く前に早めに、こまめにとる
- 冷たいものや刺激物を摂りすぎない(脾が弱り食欲がなくなったり、だるさが起こり元気が出ない)
- 冷房の冷えすぎに注意する(内臓冷え→冬の不調にもつながる)
- 適度な昼寝で気の消耗を防ぐ
- イライラ、興奮をふせぐため、深呼吸、軽いストレッチ、ぬるめのお湯につかる入浴習慣をもつ。
食材のポイント
- 苦味のある食材(心を整える) ゴーヤ、春菊、セロリ、緑茶
- 体の熱を冷ます食材(清熱) きゅうり、トマト、すいか、レタス、菊花
- 気を補う食材(夏バテ予防) 山芋、とうもろこし、枝豆、黒豆、なつめ、高麗人参
- 水分を補い、潤す食材 桃、梨、はちみつ、白きくらげ
- 消化を助ける食材(脾を守る) 大根おろし、山査子、梅干し
→ 紫蘇、生姜などの食材や、温かい汁物・蒸し料理を少し取り入れると、冷たいものの摂りすぎによる脾の疲れを防げます。
まとめ
薬膳は、「毎日の食事そのものが体を整える力を持っている」という考え方に基づく食養生です。体質や季節の変化に合わせて食材を選び、無理なく続けられる形で心身のバランスを整えていきます。
薬膳は、「毎日の食事そのものが体を整える力を持っている」という東洋医学の知恵に基づく食養生です。体質や季節の変化に合わせて食材を選び、無理なく続けられる形で心身のバランスを整えていきます。 五行論で夏は火に属し、対応する臓は心。もっとも疲れやすく、揺らぎやすい季節だからこそ、ちょっとした生活のポイントや食材選びが、心の安定と体の軽やかさにつながります。
慌てて走りまわったり、忙しい仕事の合間に昼食をかきこんだり。そんな「心が上に引っ張られる」ような過ごし方は、火の季節である夏には負担になりやすいものです。できるだけ心に余裕をもって、ゆっくり呼吸しながら過ごすことが、心を守るいちばんの養生になります。
また、薬膳料理教室では季節に合った養生を、実際に体験しながら学べます。 次回の開催は8月29日。 2種のスパイスカレーを味わいながら、日々の暮らしに取り入れやすい養生のコツをお伝えします。 季節の変化を楽しみながら、心と体を整える時間を一緒に過ごしましょう。







