「最近、昔より痩せにくい」
「普段忙しくて、食事管理、運動がなかなか難しい」
「漢方でやせたという人のおすすめ漢方薬を飲んでみたけど、合わなかった……」
「リバウンドを繰り返している」
こんなお悩みをもつ方も多いのではないでしょうか。
- せっかく漢方薬を飲むなら最大限に効果が出る飲み方をしたい、でもどれがいいんだろう……?
- 他の人が効いたという漢方薬をむやみに飲んで体調不良を起こすことは避けたい……。
この記事では、①ダイエットを目的として漢方薬を飲むことについて ②漢方薬を飲む以外のダイエットの方法についてお伝えします。
目次
漢方薬はダイエットに効果的?
漢方薬は残念ながら、「これだけ飲んでいればやせる!」というものではありません。
食事管理や運動などの生活習慣の改善も並行して行っていくことで漢方薬の効果が大きく引き出せます。
もしも「食事や運動を頑張っているのにやせない……」とお悩みでしたら漢方をプラスすることで大きな助けになります。
漢方薬を併用していくと、全身のバランスを整え体質改善に働き、やせやすい体にしてくれます。
全身のバランスが整うと、リバウンドもしにくくなります。
そして、普段感じていた身体の別の不調(冷えやむくみなど)が改善していることにも気が付くかもしれません。
漢方薬が効かなかったわけ
体質は人それぞれ
東洋医学では、身体は気・血・水の3つの要素でできていると考えます。
気・血・水のどこかが過剰になったり不足していたりバランスが崩れると、身体の不調が出てきます。
バランスの崩れ方も、不調の出方も人それぞれです。
このバランスが崩れた根本の原因に対処していくことがとても大切です。
ある人には効いた漢方薬でも、他の人にはバランスをさらに崩す方向に働いてしまう可能性があります。
「頭痛を治すために鎮痛薬を飲む」という西洋薬のイメージで、
「ダイエットしたいから防風通聖散を飲む」というように漢方薬を選んでしまうと、効果がでないばかりか下痢をするなどの副作用が生じるおそれがあります。
そのため、体質タイプを見極めて適切な薬を選ぶことが必要になります。
ダイエット効果のある漢方薬にはどんなものがあるの?
防風通聖散
- つい食べ過ぎてしまう
- お腹周りに脂肪が多い
- 便秘がち
- 吹き出物が出やすい
食べすぎ飲みすぎにより、体内に熱が溜まった状態は,
便秘や消化機能の低下をもたらします。
防風通聖散は汗や、便や尿から不要な物を排泄しやすくする漢方薬です。
胃腸が弱く下痢しがちな人や冷え性の人にはお勧めできません。
防已黄耆湯
- 水太りタイプ。
- 足がむくみやすい。
- 疲れやすく、汗をかきやすい
身体に余分な水分が溜まっていてうまく代謝ができていないタイプに。
胃の調子を整えながら利尿作用により水分を尿から排泄してくれます。
大柴胡湯
- 肩が凝りやすい
- 便秘がある
- 中性脂肪やコレステロールが高い
- 精神的ストレスがありイライラしやすい
漢方でいう「気」の流れの滞りがあると、イライラ感・吐き気・張りや凝りなどがあらわれます。たまったストレスを、
食べることで解消しようとしてついつい過食してしまう方におすすめできる漢方薬です。
消化管の蠕動を促し、便通もよくする働きがあります。
下痢をしやすい方には注意が必要です。
桂枝茯苓丸
- 上半身がのぼせやすい
- 手足が冷えやすい
- 肩が凝りやすい
- 生理不順、生理痛がある
身体を温め血行を良くし、血流が滞っている状態(瘀血)を改善してくれます。
また水分の代謝も促してくれます。
当帰芍薬散
- 冷え性
- 足のむくみがある
- 生理不順、生理痛がある
むくみや、身体に過剰な水分がたまっていると、血行が障害され冷え性となります。
当帰芍薬散は過剰な水分を除いて水太りの状態を改善する結果、ダイエット効果にもつながってきます。
このほかにも、体質に合わせて様々な漢方薬が使われます。
漢方薬局で自分に合った漢方薬をみたててもらう
身体のどこかのバランスが乱れると、未病や様々な症状、肥満などがあらわれてきます。
でも、そうなるに至った原因は人それぞれですし、対処法も人それぞれです。対応できる漢方薬は何種類もあります。
漢方では「証」といって、自分の体質がどんなタイプかをあらわす概念がありますが「気・血・水」や「虚証・実証」や「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」などを組み合わせて見極める必要があります。
自分に合った漢方薬はどれがいいんだろう?とお悩みの方。
「証」にもとづいた適切な診断によって漢方薬を服用したい方は氣生薬局の薬剤師にご相談ください。
漢方薬の効果をもっと高めるためには
食事・運動・漢方以外でダイエットに役立つことをご紹介します。
入浴をする
浴槽には浸からずシャワーだけ、という人も多いのではないでしょうか。
入浴には血流を良くする効果があります。
「冷えは万病のもと!」
漢方では冷えを非常に重要視していて、冷えのタイプに合わせた漢方薬の種類が多くあります。
冷えは気血水のバランスを乱して代謝・排泄の衰えだけでなく、さまざまな未病を引き起こします。
入浴は代謝を上げてダイエットにいいだけでなく、免疫力を上げ、自然治癒力をアップして不調を予防・改善してくれますよ!
呼吸を意識する
毎日、仕事や家事に追われ、人間関係で気持ちが張りつめていると、呼吸は浅くなり自律神経のバランスが乱れていきます。すると不眠、疲労感、肩こり、胃もたれなどの様々な不調があらわれたりします。
長くゆっくりと吐く呼吸を1日何回かでも意識して行ってみましょう。自律神経が整い血流もよくなります。気持ちは穏やかになり、ストレスからくる過食も抑えられるでしょう。
量・質ともに良い睡眠をとる
良い睡眠をしっかり確保することでやせやすい体質になります。
寝不足(4時間睡眠)を2日間続けただけで、食欲を抑える「レプチン」というホルモンの分泌量が減少し、反対に食欲を高める「グレリン」というホルモンの分泌量が増加して、食べ過ぎをまねきます。
1日6時間~7時間半は良質な睡眠をとりたいところです。
食欲が増して困っている方は今より1時間睡眠を多くとることを心がけるだけで、自然と食べる量が減って、やせやすくなることが期待できます。
1⃣朝日を浴びる 2⃣カフェインは寝る5時間前まで、食事は3時間前まで 3⃣ 寝る30分~1時間前に入浴する 4⃣スマホ、パソコン、テレビなどは寝る1時間前まで 5⃣寝る前に長くゆっくり吸って吐く呼吸を行う
などに気をつけることが快眠につながります。
一口30回以上噛む
よく噛むとダイエットによい理由には2つあります。
1⃣食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌が増加します。
2⃣食事をしたときに出るエネルギー(食事誘発性体熱産生)が多く消費されます。
結果的に食べる量が減り、エネルギーも多く消費されるので、やせやすくなっていきます。
胃腸にも優しく、血糖値が安定する効果もあり、良いこと尽くしです。
お米を食べるときにも、濃い味付けばかりにせずに噛む回数が増えるごとに甘みが増していくのを感じてみるなど、良く味わうことを楽しみながら食べてみてください。
腸内環境の大切さ
「ダイエットのためには腸内環境が大事!」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
腸内環境が整うと、消化吸収・排泄がうまくいって代謝が高まり、やせやすい身体になるからというのがその理由です。
腸内環境が良いとは?
人間の腸内細菌は、大きく分けて3つの種類があります。
「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つで、善玉:1悪玉:2日和見:7の割合でバランスをとって存在しています。
腸内はこのように菌の多様性があることが重要で、そのような菌の種類が多い状態を「腸内環境が良い」と言います。
腸内環境が悪くなるとどうなる?
悪玉菌は、肉類・砂糖の摂りすぎ・不規則な生活・ストレス・便秘などが原因で腸内に増えていきます。
悪玉菌が増えると「肥満」「糖尿病」「高コレステロール」「発がん」「免疫力低下」「動脈硬化」などを引き起こす可能性があります。
善玉菌を増やす方法
善玉菌を増やす方法は2通り!
- ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌そのもの(プロバイオティクス)を摂る方法…...食品ではヨーグルト、納豆、ぬか漬け、キムチ、味噌など
- 腸内にもともといる善玉菌のエサとなる食品(プレバイオティクス)を摂る方法…...オリゴ糖、海藻類、野菜、豆類、キノコなど
「便は身体からのお便り」といわれるように、腸内環境が良いかどうかの目安は、毎日の便を観察することでわかります。
理想の便は、バナナのような形で柔らかく、細すぎず、黄土色っぽく、臭くなく、水に浮く!
そんな便を目指していきたいですね。
腸内環境と漢方薬の深い関係
腸内環境が悪いと、漢方薬の吸収率が低下するとも言われています。
漢方薬の有効成分には、腸内細菌によって分解されて吸収されるものがあるためです。
「漢方薬を飲んだのに効果が実感できない」という場合にはまずは腸内環境を整えることから始めてみましょう。
デトックス&腸内をきれいに!「ダイエット効果だけじゃない」ファスティングという選択肢
ファスティングとは
ファスティングとは、一定時間食事を断つこと(断食)です。
古くから医療でも用いられてきました。
ファスティングのやり方については、水だけしか飲まない方法や野菜ジュースやスムージーなどを摂取する方法などがありますが、安全で健康的な方法としておすすめできるのが、特に重要なミネラルなどを含む専用ドリンクを使用したミネラルファスティングです。
専用ドリンクを飲むことで、ほとんど空腹感を感じることなく楽に過ごせるので、仕事や家事なども問題なくできます。
ファスティングの方法
準備期間:ミネラルファスティングを行うにあたって、まずは2~5日程度の準備期間が必要となります。ファスティング期間に向けて身体の環境を整えることで、拒否反応を避けるためとファスティング期間の効果を最大限に高めるためです。具体的には、肉・揚げ物・甘いものやアルコールやカフェインを避け、野菜類・発酵食品などを多く摂るようにします。
ファスティング期間:ドリンクだけで過ごす期間は標準で3日間です。この期間は専用ドリンクを水で薄めたものを1日に4~5回、1日の必要量(決められた量)を摂っていきます。ドリンク以外に水分を十分摂ることも重要です。
回復期間:ファスティング期間が終わると、回復期間を2~3日とります。
ファスティング後は吸収率が高まっていますので、いきなり油ものや肉は避けてください。またたくさんの量を食べてしまってはせっかくのファスティングが逆効果となってしまいます。
おかゆなどから始めて様子を見ながら徐々に普通食に戻していきます。
準備期間2日、ファスティング期間3日、回復期間2日の計7日間のプログラムが標準的なものになります。
体重減少効果はほんのおまけ!ファスティングのメリット
氣生薬局のファスティング標準プログラム(7日間)をやっていただいたほとんどの方に7日間で2~5Kgの体重減少という結果が出ています。
しかしファスティングのメリットはそれだけではありません。
主なものをご紹介します。
内臓休息効果:食べ物が豊富にあり、いつでも手に入る現代では食べ過ぎによって内臓がオーバーワークとなり、不調に陥るパターンが多くなっています。ひっきりなしに入ってくる食物を消化しようと内臓は一生懸命に働いていますが、その状態が続くと消化吸収能力が弱まり、代謝がうまくできず体も疲れやすくなったりします。ファスティングによって働きすぎの内臓を休めてあげることが大切!内臓にも働き方改革が必要かもしれませんね。
有害物質の排出:環境ホルモンや残留農薬、食品添加物など、私たちの身の回りにあふれている有害物質はどんなに気をつけていても完全に避けることは不可能です。これらの有害物質は脂肪に蓄積されていきますので、ファスティングで脂肪燃焼を促進すると有害物質が遊離して体外へ排出されやすくなります。
大腸がきれいになる:ミネラルファスティングでは、専用ドリンクに善玉菌のエサとなるプレバイオティクスが含まれていますので、善玉菌優位となりやすく腸内環境が整い、きれいな大腸に生まれ変わります。
オートファジー誘導:細胞の自食作用によって不要なものを除去し、細胞の中身を若返らせるしくみのこと。
ファスティングとオートファジーの関係
内臓疲労が蓄積されていると、消化機能が低下し食べ物からの栄養素も吸収されづらくなります。現代では高いサプリなどを摂って健康を維持しようという向きもあるようです。しかし、いくらいいサプリを摂っても吸収されないのでは意味がなくなってしまいます。
まずは消化吸収能力を高めることが先決です。
「わかっているけど変えられない」習慣を変える一番早い方法
「食事、運動、睡眠が大切、、、そんなことわかってる!簡単にできないから困っているんだ」
という方もいらっしゃると思います。
たしかに、一念発起して生活習慣を変えていけば体の細胞も変わってきますが、実感できるまでに長い時間がかかるので、モチベーションを保つのは難しいです。
一方でファスティングは変化が早いです。体調がよくなり体重減少や様々な効果が実感できると、ファスティング後は「体にいい食べ物を入れよう」と意識もガラッと入れ替わるからです。
1回ファスティングをされると、2回目3回目とやりたくなる方が多いようです。
定期的なファスティングが習慣を変えるもっとも早い方法だと思います。
薬剤師がサポートする「漢方ファスティング」
氣生薬局では自然食品・生薬にこだわったオリジナルの漢方・薬膳商品をファスティングセットに組み込んでいます。
準備期・ファスティング期・回復期の各段階に必要な生薬をブレンドした漢方茶、なつめやクコの実などを使った2種類の薬膳がゆ、回復期用のおやつとして薬膳ナッツがセットに入っていますので、ファスティングのためにあらかじめ準備していただくものはありません。
また、ファスティングマイスターという資格をもった薬剤師がサポートしますので、ファスティング中に体調面で不安になったことはいつでも公式LINEから相談ができます。
そして、ファスティング後も、ご希望される方には体質に合った漢方薬をお選びし、養生のアドバイスなどが受けられます。(漢方薬代別料金)
氣生薬局の漢方ファスティングで、知らず知らずのうちに溜まっていく毒素を流して、心も身体もスッキリきれいにしませんか?
ファスティング7日間スケジュール ~氣生薬局の漢方ファスティング~
さいごに……自分の心と身体を見つめなおすということ
ダイエットに関しては漢方薬を飲む前に、まずは自分自身の心と身体を見つめることが大切だと考えます。
生活習慣の改善ができないままではリバウンドが起きてしまい、効果が中途半端なものになるためです。
漢方では「病院に行くほどではないけれど、なんとなく不調が続いている」というような状態を「未病」といい、そのまま放っておくと病気にどんどん近づいていくので、そのような状態も治療が必要と考えます。
今回ご紹介した、ダイエット効果を高めるためにできることは、そのまま未病予防へとつながります。
簡単なことからひとつでも行動にうつしていくと確実に変わっていけます。
そして、心と身体がすっきりと整っていることで今よりもっと楽に意欲的に毎日を過ごすことができたら、「本当に自分がやりたいことに最高のパフォーマンスが発揮できる」。
本当のゴールはそこにあるのかもしれません。